法定通貨バックド（Fiat-backed）とは
法定通貨バックド（Fiat-backed）は、ステーブルコインの一種であり、その価値が発行された国の法定通貨に対応していることを意味します。つまり、1つの法定通貨バックドステーブルコインの価値は、発行された国の法定通貨と同等であり、1対1の交換レートが維持されます。法定通貨バックドステーブルコインは、発行元（通常は信頼性のある中央機関や銀行）が保有している法定通貨に対応する量のステーブルコインを発行します。これにより、ステーブルコインの所有者は、暗号資産市場の価格変動からのリスクを軽減しつつ、法定通貨と同等の価値を持つデジタル通貨を利用することができます。法定通貨バックドのステーブルコインの一例としては、Tether（USDT）やUSD Coin（USDC）などが挙げられます。これらのステーブルコインは、各国の法定通貨に対応しており、一般的に金融機関や監督当局による規制や監督の下で運営されています。法定通貨バックドのステーブルコインは、暗号資産市場において価値の安定性を提供するために利用されます。ユーザーは、ステーブルコインを保有することで、暗号資産間の取引や保有の際に価格の変動リスクを最小限に抑えることができます。また、スマートコントラクトや分散型アプリケーション（DApps）など、法定通貨との連動性を必要とする場面でも利用されます。ただし、法定通貨バックドのステーブルコインは、発行元が法定通貨に対応する実際の資金を保有していることが重要です。そのため、発行元の信頼性や透明性、監査の実施などが重要な要素となります。また、法定通貨バックドのステーブルコインは、中央集権的な性質を持つ場合があり、発行元の管理や規制に従う必要があることに留意する必要があります。