ハッシュとは
ハッシュ（Hash）は、暗号資産や情報セキュリティの分野で広く使われる用語であり、特定のデータ（メッセージ、ファイル、トランザクションなど）を固定長の一意の値で表現するための関数を指します。ハッシュ関数は、与えられた入力データに対して固定長のハッシュ値を計算します。ハッシュ関数の特徴は、以下の通りです：
- 一方向性: ハッシュ関数は、入力データからハッシュ値を計算することは容易ですが、ハッシュ値から元のデータを復元することは困難です。つまり、ハッシュ値から元のデータを逆算することができません。
- 固定長性: ハッシュ関数は、どんなに長い入力データでも固定長のハッシュ値を生成します。一般的に使用されるハッシュ関数では、数十桁から数百桁の長さのハッシュ値が生成されます。
- 衝突耐性: ハッシュ関数は、異なる入力データに対しては異なるハッシュ値を生成します。また、一部の高品質なハッシュ関数では、衝突（異なる入力データが同じハッシュ値を生成すること）が非常に起こりにくくなっています。
ハッシュは、データの一意性や改ざんの検出、データの識別、デジタル署名、暗号化などの用途で広く利用されます。例えば、ブロックチェーン技術では、ブロック内のデータをハッシュ化して連結し、一連のブロックの整合性を確保しています。また、デジタル署名では、メッセージのハッシュ値を作成し、秘密鍵で署名することでデータの完全性と認証を実現しています。